Saturday, January 1, 2011

新年明けましておめでとうございます

日本の読者の皆様、また、日本語で情報をアクセスなさる日本国外の皆様、明けましておめでとうございます。

昨年の尖閣諸島のポストを最後に日本語版の更新がおろそかになってしまい、誠に申し訳も無い次第です。秋から年末まで、あっという間に過ぎてしまった、という感があります。英語版で書きましたが、2010年の経済、金融市場を一言で言い表すような出来事(英語で言う、”Defining Moment”というやつでしょう)は、私にとっては五月初旬の「フラッシュ・クラッシュ」でした。ダウ工業平均が何の理由も何のサポートも無くただひたすら1000ポイント近く降下する様は、ロープの切れたエレベータが底なしの、真っ暗なシャフトを落っこちていくような、ただただひたすら空恐ろしい、二度と経験したくないトレーディング・デイでした。

以来、『幽霊の正体見たり...』といった感じで、オバマ政府やバーナンキ連邦準備銀行が何をほざいても、何をやろうとも、「だからどうした?」とまず思ってしまいます。経済、金融市場の実体はほとんど何も無いのですから。金融市場はアルゴ・ボットが跳梁してナスダックのハイ・ベータ・ストック(アップル、グーグル、ネットフリックスなど)をお互いの間で超高速で取引するところ(この超高速取引がコンピュータのトラブルで0.01秒滞ると、5月6日のようなフラッシュ・クラッシュになるのです)、米国経済は政府が金を使いまくってそれが「成長」とされるところ、またその成長を判断評価する基準はこれまた政府が勝手に数字を作り出して自身に都合のいいように設定した基準(政府発表の失業率がもっとも悪名高いものです)。『株式市場の上昇は経済の上昇と同じである』と、バーナンキ総裁はいみじくも発言しています。

去年の12月に入った途端、経済・金融メディアの論調が突然変わりました(去年のうちで何度目か、勘定してませんが)。その時点まで恒常的に悲観的な観測を出していた経済学者(たとえばゴールドマン・サックスのJan Hatzius)までが180度転換して、アメリカ経済は2011年に予想を大きく上回る成長を遂げる、と言い出したのです。経済の基本的なところで何が変わったわけでもありません。変わったのは論調だけ。言うだけなら何でも言えますねえ。特に、経済、金融ともに実体はもうほとんど何も残っていないんですから。何だってありです。何の実体も実能力もない(やる気もない)大統領(またもハワイの年末バケーションで国民の税金を1億円以上浪費しているようです)が黒人であるというだけの理由で大きな顔をしてのさばっている国にまったくふさわしい状況でしょう。

というわけで、年頭から芳しくないポストですが、今年も日本、あるいは日本語環境の中だけではアクセスしにくい、また理解しにくい経済、金融、政治のトピックを、出来るだけカバーしてお届けしたいと思っています。

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