Saturday, April 16, 2011

計画停電は原子力保安院のブラックメールだったのか?

3月からずっと出し損ねていたポストですが、東電の計画停電とやらがどうやら終息するようなので、まあいい折り合いかなと思って今更ですが出します。ウオールストリートジャーナル紙のNorihiko Shirouzuさんの、3月24日付け記事です:

原発推進の動きに後退みられず=保安院の西山審議官

【東京】経済産業省傘下の原子力安全・保安院の西山英彦審議官(54)は23日、インタビューで、過去25年で最悪の原発危機にもかかわらず、原発推進の動きは後退していないと語った。原子力の代わりは「停電」だという

 西山審議官は、「これから先、それに代わるものが簡単に見つかるとは思えないという状況にある」と述べ、「(今の需要を満たすという点からしても、環境対策にしても、)どうしても今、原子力がなければやっていけない」と説明した。原発は日本の発電の約30%を担っており、政府は2020年までにこれを 40%にする目標を掲げている。

 同審議官は、原子力への依存拡大について業界への反発は強まりそうだと述べた。大気中の放射性物質濃度が上がった、また、東京の水道水から放射性物質が検出されたとの報道があっただけになおさらだ。

 西山審議官は、大幅な原子力抑制は大規模な停電を意味すると警告。しかし、「そうは言っても電気のない生活も考えられない」とした上で、「現実的に、いかにこういう非常事態にも対応できるものを作っていくか、ということでいくしかないと思う」との考えを示した。日本、および日本の原発業界は、そうした事象に対するバックアップ電源や冷却システムの耐性を強める必要があるという。

 審議官の見解は、官僚制度のトップに立つ役人の立場を反映するものだ。経済産業省は、原子力業界の規制と推進の両方を担っている。

 同省は、海外で原子炉建設の契約獲得を狙う国内電力会社を支援している。背景には、原子力や高速鉄道など日本の「インフラ技術」を海外で積極的に売り込む、より広範な戦略がある。

 西山審議官は、経済産業省が原子力安全・保安院の領域に干渉することはない、と述べた。日本は内閣府に原子力安全委員会という第2の機関を設置することで、原子力安全・保安院の独立性を確かにしているという。

 その上で、「保安院と東京電力が癒着していたから今回の事態が起きてしまったということではまったくない」と発言。今の原子力安全委員会と原子力安全・保安院のダブルチェック体制はベストだと思われる形だ、と述べた。

 東電は今週、福島第1原発の電力回復に関して進捗状況を報告している。ただ、西山審議官は「今のところまだ何合目とか最終段階とは言いにくい状況にある」と語った。

 実際、インタビューを終えた審議官は、同原発3号機で煙が上がったことを告げられた。

最終段階もへったくれもないんです。細野首相補佐官のBS朝日テレビ出演でも明らかになったように、西山審議官がこんなことを言っていた時点で実は政府も東電も、何がどうなっているんだかぜんぜん分かっていなかった、データもろくになかった、炉心溶融だと分かっていたが、それを発表する気になれなかった、というのが実情。

政府が考えるのは政府(政治家、役人)の保身、安全であって、彼らが「国民の安全」云々と言うときは自分たちも一応国民の一人として考えるので辛うじて嘘ではない、といった程度に聞いておいたほうが身のためです。

ちなみに、京大の小出裕章さんは、原子力が3割というのは火力発電の稼働率を極力抑えているからで、火力発電の稼働率が7割になるだけで原子力は殆ど電力としては要らなくなる、といっています。(また後ほどポストに出します。)原発がそんなに安全で、どうしても電力として必要だと言うなら、東京のような大都市の近くに作れ、とも言ってましたね。

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