Wednesday, April 20, 2011

オーストリア気象地球力学中央研究所(ZAMG)キセノン133ガス拡散予測4月19日-21日

いつもと違って、ZAMGは北半球へのキセノン133(Xenon-133)の拡散予測のアニメーションを出しています。

キセノン133は核分裂によって発生する放射性希ガスで、半減期は約5.2日。外部被爆を起こします。ほとんどの場所で紫か青ですので、いわゆる「人体にほとんど影響のない超微量で」云々とされるレベルなのですが、そうは言っても福島第1原発の事故がなければこのようなガスは発生せず北半球を回りもしないわけです。

私が驚いたのは、非常に広範囲に広がっていること。

ZAMGの拡散予測だと、日本はキセノン133の雲に隠れてまったく見えず、またシベリア、中国東北部に大きな雲がかかり、アメリカの西海岸ばかりかアラスカ、アメリカ西北部、東海岸まで、定常的な雲が走っています。(道理で体調が優れなかったわけだ...。)大西洋を越えて、アイスランドに掛かったくらいで消えています。フィリピン、インド洋にまでちらりと雲が出ています。

(ちなみに、ノルウェーの、The Norwegian Institute for Air Researchによるキセノン133拡散予測はなおひどいように見えます。)

最初の爆発からもう1ヶ月以上で読者の皆様の異常感覚も麻痺してきたのではないかと思いますが、ヨウ素131、セシウム137、キセノン133などは、核分裂の結果出現する核種です。特に、ヨウ素131、キセノン133は半減期が短いにもかかわらずずっと出続けているということは、福島第1原発の原子炉のどれかで核分裂が続いていて(再臨界)、その結果生じる放射性物質が外に漏れ続けている、という可能性がある、ということです。

東電が工程表を出したからといって原発事故が収束しているわけでもなんでもありませんが、まあ日本のメディアの報道を見る限り、収束どころかもう解決しているような錯覚を受けますね。

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