Tuesday, July 5, 2011

「東京新聞:福島第一周辺の子1000人調査 甲状腺微量被ばく45%」追跡調査

東京茶とら猫さんのコメントを読んで、原子力安全委員会が出している資料に直接当たってみることにしました。

「5月に情報をHPにアップした」と言う原子力委員会の言葉どおり、確かに1ページの資料が5月12日の会議資料として上がっていました(H/T 茶とら)。中身はまあ何もなく、検査した全児童、等価線量で100ミリシーベルト以下だったので詳細調査の必要なし、と言う簡単なものです。

そこで、5月12日の会議議事録で、誰が何を何と言ったのか、見てみました。以下にコピーします。これを読むと、特に春樹さんなど、SPEEDIの予測結果を応用した検査の一つとしてやってみただけ、というような口吻です。等価線量で100ミリシーベルトと言うのは、原子力委員会の指標の2倍です。(強調は私が入れました。)

班目委員長: どうもありがとうございました。他に。そうしたらもう1件、SPEEDIを活用したというか、この結果を活用した例といった方がよろしいのかもしれません。資料第4-3号がございます。これは、事務局の丸山安全調査管理官から、ご説明をよろしくお願いいたします。

○説明者(丸山安全調査管理官) 資料第4-3号に基づきご説明を申し上げます。「福島県における小児甲状腺被ばく調査結果について」ということでございます。平成23年3月23日のSPEEDIの試算を踏まえ、原子力安全委員会緊急技術助言組織より、特に、感受性の高い小児への健康影響をより正確に把握するため、屋内退避区域あるいはSPEEDIを用いた試算(3月23日公表分)で甲状腺の評価線量が高いと評価された地域の小児の甲状腺線量の実測を原子力災害対策本部事務局あてに依頼した。その結果、原子力災害現地対策本部において、いわき市、川俣町、飯舘村において、小児甲状腺被ばく調査を実施した。

1)対象者数、でございます。3月26日から27日、いわき市の保健所で測定数は134人。3月28日から30日、川俣町公民館647人。3月30日、飯舘村公民館299人。合計1,080人でございます。注書きに書いてございますが、なお3月24日に川俣町において測定を行っていますが、バックグラウンドが高かったことから測定結果には含めておりません。

2)測定方法、でございます。「緊急被ばく医療ポケットブック」(平成17年3月 財団法人原子力安全研究協会)の「頸部甲状腺に沈着した放射線ヨウ素の測定」に基づき、NaIシンチレーション式サーベイメータを用いて実施したということでございます。

3)結果、でございます。対象者は0歳から15歳でございます。小児甲状腺被ばく調査を実施した0歳から15歳までの1,080人の小児については、スクリーニングレベル0.2μSv/h(1歳児の甲状腺等価線量として100mSvに相当)を超えるものはなかった。以上でございます。

○班目委員長 どうもありがとうございました。それではこれにつきまして、何かご質問、ご意見はございますでしょうか。よろしゅうございますか。これは実は、こういう形で、紙で出すのは初めてかもしれませんけれども、実際には4月の時点で既にこのような調査が行われ、特に問題のある結果は出ていない、ということは公表済みだということでございます。改めて、こういうきちんとした形で発表しておきたいということで、今日の日付になっているというものでございます。よろしゅうございますでしょうか。それでは大変ありがとうございました

この中で言及されている3月24日の川俣町での測定結果は、朝日新聞に出ていました。それによると、66人の子供を検査して最高値は0.24マイクロシーベルト時。上記の原子力安全委員会会議では、0.2マイクロシーベルト時で等価線量100ミリシーベルトになり、更なる検査が必要、とされていますが、朝日の記事では、「2マイクロシーベルト時を大幅に下回るので大丈夫」となっています。朝日の記者が誤解したか、国の原子力災害現地対策本部が桁を1つ間違えたか、さて?

3月25日付け朝日新聞

東京電力福島第一原子力発電所の事故を受けて、国の原子力災害現地対策本部は25日、福島県川俣町で子どもを対象に行った甲状腺の被曝(ひばく)状況調査の結果を発表した。対象は1歳から15歳の66人。「いずれも1時間あたり2マイクロシーベルト以下で、問題となるレベルではない」と結論づけた。

 調査は24日に行われ、のどの付近から数ミリの距離で検出器を使って放射線量を測定した。66人のうち最も値が高かったのは12歳の男子現地の環境中の放射線量を差し引いた正味の線量は、1時間あたり0.24マイクロシーベルトで2マイクロシーベルトを十分下回った。原子力安全委員会の指標では、甲状腺の被曝量は年間5万マイクロシーベルトを超えないよう求めている。

 今回の調査地は、福島第一原発の30キロ圏の外だが、緊急時迅速放射能影響予測(SPEEDI)の試算で甲状腺の被曝線量が比較的高いとされていた。同本部は「この地域の住民にとって、安心材料となるデータが得られた」としている。

ちなみに、7月4日の記者会見の記録には、東京新聞の記者も、記者の質問も、一切記録されていません

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