Monday, August 1, 2011

ドイツ気象局の放射能拡散予測はやはり中止でした

残念。ドイツ在住の日本人の大学教授の方がわざわざ気象局まで出向いて下さったそうですが、決定は覆らず。

顛末がTogetterに出ていますが、そのなかで気になるTweetが。

なぜ公開を止めたのかの理由については随分話しました。主に理由は3つあるようです。

まず第一に、福島原発からの放射性物質の放出が事故当初に比べて減った事です。第二に、拡散予想の解釈を誤解されることが多いことです。あれは、「もし放射性物質が放出されたらどうなるか」という予想であって、放出されているのではない訳です。それに関してはサイトにもドイツ語と英語でしっかりと注意が書いてありますが、日本語や日本の近隣諸国での言葉では書いていない為に、やはりそれを間違って解釈して混乱を起こす事を心配しているとの事です。実際に日本国内外から沢山問い合わせが届くようです。

放射性物質放出量減少と、混乱を起こす事を兼ねて考えると、ここでやめるのが妥当との判断だとのことです。そして最後の理由として、これ以上DWDが行うと、パートナーとしての日本との関係が悪化する事を懸念していると言っている担当者もいました。但し日本からの圧力は無かったとの事です。

その担当者も言っていましたが、日本のシステムSPEEDIでの情報公開は日本でされるべきではないかと。これは我々が日本で解決しなくては行けない問題です。

たしかにその通りなんですが、何しろ東大児玉教授の国会での証言ビデオを消しにかかっているような政府相手だからなあ。(もっとも次から次へと新しいアップがあるようで、消すのはまず無理のように思えますが。)

少なくとも、わたくしたちの感謝と、続けてほしいと言う要望はちゃんと通じたようです。

全部で8300以上のメールが日本から届いたそうです。目は通しているように思いました。今回印刷して感謝や要望を持って行ったのを非常に喜んでいました。翻訳も非常に喜んでくれていました。メールで見るのと紙として実際に見るのとでは全然違 うし、顔を合わせて話しに来たのもとても喜んでくれていました。そして彼らの仕事が役に立ちされ感謝されている事を正直に喜んでいました。どの人たちも素晴らしい科学者だと思いました。もしまた大量の放射性物質が放出されたりした場合はすぐにでも始められるとのことです。もちろんドイツ政府からの指令が必要になりますが、ドイツ政府はそういうことに関しては信頼できると思います。DWDのモニターシステムには福島や周辺の放射線のIAEAからのデータが入っていて彼らはモニターをしています。よって有事の際にはすぐにでも計算を始められるとの事です。とにかく担当者の方々は非常に難しい決断だったと何度も言っていました。

また大量の放射性物質が放出されればすぐに始める、というのは、オーストリアもノルウェーも言っていました。

さて、ここは気を取り直して、気象庁あたりに圧力をかけますか。ドイツ気象局も圧力をかけてくれると、昔から外圧に弱い日本政府には効くかもしれませんが。ドイツ気象局の科学者の方々に引き続きお願いしてみるのも良いかもしれません。感謝されているのを喜んでいた、とのことですから。

それにしても中止は残念です。政治的な判断が政治には中立であるべき科学者の仕事をストップさせた、ということも、ドイツ政府の「パートナー」が日本国民ではなく、日本の政府であったことも残念です。

2 comments:

  1. 中止ですか! 残念ですがそう云う理由なら致し方無いですね。
    しかし再度高濃度の放射能が湧いてきたようですから、もう少し
    頑張って欲しかったですね。

    日本がもっとちゃんとして資料を提供するのが世界に対する
    義務であるとも言えます。頑張って欲しいですね!

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  2. どこの国でも、政治が科学を支配するようで、残念です。まだあきらめずに交渉する、という話もありますので、あきらめるのはまだ早いかも。DWDに実際に行った大学教授の方の追加のTweetによると、現場の科学者の人たちは自分たちの仕事がそれほど実際に役立っていたのに驚き、喜び、すぐにでも再開したがっていた、とのことですから、なんとか科学者の方々を支援する方法がないか、と。

    日本の政府が国民にちゃんと資料を提供するのを待っている間にまたどこかの原発が壊れかねません。残念ながら。

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